引用図版Virtual Street Photography / History
路上は、誰の目で記録されてきたか。
歩く写真家、車載カメラ、Googleの自動撮影、画面を旅する作家。約190年の写真史を、作品・論文・インタビュー・展覧会資料から読み直します。
01 · History
視線の系譜
Street View写真は、歩行・車載撮影・反復・自動収集・既存画像の選択が交差して生まれた。
街路が写真の舞台になる
初期の都市景観、報道、アヴァンギャルドが街路を近代社会の記録へ変えた。一方、長い露光時間は動く人々を像から消した。
小型カメラと歩く写真家
Henri Cartier-Bresson、Helen Levitt、Robert Frank、William Klein、Garry Winogrand、Lee Friedlander、森山大道らが、歩行と反応を都市写真の中心へ置いた。
Ruschaの系統的な車載記録
Ed Ruschaは車載カメラで通りを連続撮影した。決定的瞬間とは別に、システム、反復、比較可能性から都市像を作る系譜が始まる。
移動と反復が都市の時間を記録する
Stephen Shoreは移動中の日常を視覚日記にし、Camilo José Vergaraは同一地点を定期的に再撮影した。網羅性と時間比較が別の作品系譜を作る。
Aspen Movie Mapが街路を操作可能にする
MITは車載撮影したAspenの街路像を地図と映像ディスクへ接続。利用者はタッチスクリーンで曲がり、季節や時刻を切り替えながら遠隔移動できた。
Cyclomediaが360度街路記録を実用化する
TU DelftのFRANK研究から、1988年の魚眼カメラ付き記録車、1994年の地籍・都市実験へ。公開観光ではなく、測定可能な都市データとして発展した。
QuickTime VRが「写真の中を移動する」
実写パノラマを連結し、マウスで周囲を見回し地点間を移る方式が一般のコンピュータへ届く。3Dモデルではなく画像から仮想空間を作った。
Block ViewとGoogle試作車
A9はGPS付きトラックで2000万枚超を公開し、画面上で通りを左右へ移動可能にした。同時期、Googleも2004年に試作し、2006年に走行を始めた。
Street View公開
5都市から公開。車載全球撮影、GPS、パノラマUI、地図検索、大規模配信が一つのサービスへ統合される。同時に、ぼかし、削除請求、収集データの範囲が公共的な争点になった。
介入・発見・再撮影へ分岐する
撮影前の演出、偶然の採集、画面の再撮影、遠隔調査、風景の再編集、既存写真との比較へ、短期間に方法が分岐した。
グリッチ・共同制作・同意が争点になる
Vavarellaは処理エラーを保存し、Cirioは画像を路上へ戻し、Bordaは被写体との共同制作へ転換。企業アーカイブの所有と同意が可視化された。
時間軸と撮影主体が複数になる
過去画像は都市変化を読む時間軸になり、Mapillaryでは市民や組織も街路画像を投稿する。単一企業のアーカイブだけでなく、誰が収集し更新するかが比較対象になった。
02 · Artists
12の実践を方法ごとに読む
車載記録から、撮影前の介入、採集、再撮影、社会調査、風景の再編集、既存写真との比較、現地への還元、グリッチ、共同制作、遠隔旅行へ。12組の実践から、Street View画像への異なる応答をたどります。
横にスワイプして12件を比較 →
01引用図版出典: Getty Research Institute · © Ed Ruscha
車載カメラで「すべて」を撮る前史
ピックアップトラックにモーター駆動カメラを載せ、Sunset Boulevardなどを数十年にわたり反復撮影。写真家の瞬間的判断より、システム、連続、比較可能性が作品を作る。
02引用図版出典: Ben Kinsley official project site · © Robin Hewlett & Ben Kinsley
撮影される前に、街路を演出する
Google車の走行予定に合わせ、ピッツバーグの住民100人超とパレード、剣戟、救出劇などを準備した。自動撮影を受動的に待つのではなく、データベースへ入る現実そのものを共同で構成する。
03引用図版出典: 9-Eyes.com · © Jon Rafman / Map data © Google
機械の無関心から、人間的な物語を採集する
自動撮影の偶然を長時間探索し、画像をブログ、書籍、プリント、展示へ移す。2025年の大規模展ではNine Eyesのアーカイブに加え、RafmanがAIで画像をアニメーション化した別の新作も併置された。これはStreet View史一般ではなく、作家自身の近年の展開である。
04引用図版移動矢印、カーソル、顔のぼかし、RGB画素が残り、モニターを再撮影した像だと分かる。
出典: Michael Wolf Estate · © Michael Wolf Estate
画面を再撮影し、インターフェイスを物質化する
モニターをカメラで撮り直すことで、Street Viewを透明な都市像ではなく、操作と表示の痕跡を持つ技術的な表面として扱った。都市の偶発場面と監視的な視線が、粗い画面上で衝突する。
05引用図版出典: MoMA, New Photography 2011 · © Doug Rickard
ロードトリップを仮想移動へ置き換える
社会経済データを手掛かりに街を遠隔探索し、画面で構図を決め、デジタルカメラで再撮影した。距離のあるGoogleの視線を、貧困、人種、アメリカ写真史の問題へ接続する。
06引用図版広い風景の中で人物が小さく孤立し、遠隔観察の距離が構図として表れている。
出典: Mishka Henner official site · © Mishka Henner / Google Street View
ドキュメンタリーと監視の距離を暴く
オンライン掲示板の位置情報とStreet Viewを組み合わせ、南欧の路傍に立つ女性を抽出。遠隔的な視線が持つ安全、欲望、搾取を、見る側自身の問題にする。
07引用図版出典: PX3 Prix de la Photographie Paris · © Aaron Hobson
実用画像を映画的な風景へ再構成する
遠隔地のStreet Viewを探索し、複数画面の結合と強い色調整によってパノラマ風景を制作した。発見した一場面をそのまま提示するのではなく、後処理と風景写真の美学を作者性の中心に置く。
08引用図版同じ映画館を捉えた左右の像から、撮影時期、車高、画角の差を直接比較できる。
出典: Caroline Delieutraz, official project archive · © Caroline Delieutraz / Raymond Depardon / Google
作家の写真と自動撮影を同地点で比較する
Raymond Depardonの『La France』を手掛かりに同じ場所をStreet Viewで探し、二枚組として並べた。作家の撮影と企業による自動収集を同一地点で比較し、一つの場所にも複数の視線と制度があることを示す。
09引用図版出典: ISEA Symposium Archives · © Paolo Cirio
データ化された身体を現地へ戻す
Street Viewの人物像を等身大に近いポスターとして印刷し、元の撮影地点へ貼り戻す。プラットフォームが採集した身体と都市空間の所有関係を反転する。
10引用図版出典: Behind the Smart World / Emilio Vavarella · © Emilio Vavarella / Map data © Google
修復される前のエラーを保存する
世界中を仮想移動し、継ぎ目、色ノイズ、合成の破綻を発見して保存した。作品は画像内容だけでなく、エラーが報告・修正されるまでの短い時間と、滑らかな地図を支える不可視の処理を扱う。
11引用図版出典: Photomonitor · © Sylvia Grace Borda
機械撮影を、同意のある共同制作へ変える
農家、作家、Street View撮影者が協働し、人物が最大40分静止して全球画像を制作した。匿名の自動採集とは逆に、被写体が制作過程へ参加し、農業労働の見え方を自ら構成する。
12引用図版出典: The Agoraphobic Traveller official site · © Jacqui Kenny / Map data © Google
制約を、遠隔の旅と構図へ変える
広場恐怖による移動の困難から、Street Viewで世界を旅するように静かな場面を選ぶ。監視批評とは異なる、アクセス、ケア、個人的記憶としての系譜を開いた。
03 · Adjacent field
仮想写真とゲーム内写真
ゲーム内写真は、設計・レンダリングされた空間を対象とする点で、現実の街路を記録したStreet View写真とは異なります。一方、探索、構図、選択、提示という操作には共通点があります。
撮影がゲームになる
指定対象を撮り、評価や進行へ結びつける。撮影は自由制作である前に、ゲームが設計した課題と採点規則の中にある。
写真モードで構図する
時間を止め、自由カメラ、焦点距離、被写界深度、光、フィルターを操作する。現実のカメラを模倣しつつ、物理法則を越える。
画面を作品として切り取る
専用機能がなくても、移動、待機、視点操作、UIの除去、選別、連作化によって通常のプレイ画面を作者的な写真へ変える。
規則とカメラへ介入する
MOD、デバッグカメラ、コード操作で既定の視野や身体を外す。ここでは撮影だけでなく、撮影装置を作り替える行為も作品になる。
引用図版ゲーム内写真には、物語上のカメラ、撮影を目的とするゲーム、自由なスクリーンショット、専用写真モードまで複数の制度がある。「ゲーム内写真」を一つの操作へ還元できないことを示す。
出典: The Photographers’ Gallery · © Marco De Mutiis / 各ゲーム権利者
引用図版任務を進めるプレイヤーの速度を拒み、背景として設計された工業地帯や空虚な道路を歩く。ゲームの機能的な舞台が、作者の移動と選択によって沈黙した都市風景へ変わる。
出典: Thibault Brunet official project PDF · © Thibault Brunet
引用図版ストリート写真らしい浅い被写界深度と追跡的な視線が、実在人物ではなくNPCへ向けられる。被写体の同意問題は変わるが、貧困を誰がどう設計し眺めるかという表象政治は残る。
出典: Alan Butler official site · © Alan Butler / Rockstar Games
Literature survey
ゲーム内写真をどう定義してきたか
研究は、ゲーム内写真を写真の「再媒介」と捉える議論から、スクリーンショットの流通と権力、実践者自身の経験を検証する段階へ進んできました。
2007
Cindy Poremba
対象・方法
初期の撮影ゲームとプレイヤー制作を比較するメディア論。
主張
写真はゲームに移植されるだけでなく、遊びの規則・観光・所有・自己表現によって再構成される。
2021
Vladimir Rizov
対象・方法
写真史、都市写真、ゲーム空間論を横断する理論研究。
主張
光学的な露光がなくても、探索・構図・提示の実践は写真の制度と連続し、独自のvideo game photographyを形成する。
2021
Jaroslav Švelch
対象・方法
日常・宣伝・芸術に流通するスクリーンショットの概念史と類型化。
主張
スクリーンショットは透明な複製ではない。UI、制作主体、流通目的を読まなければ、作者性と権力関係を見誤る。
2026
Spies & Urban / Game Studies
対象・方法
5人の実践者への半構造化インタビューと画像カード分類を用いた解釈的現象学的分析。
主張
技術と意図がスクリーンショットを仮想写真へ変え、自己表現、ゲーム体験、実現困難な光景、オンライン・コミュニティが実践を形づくる。
同じ「仮想撮影」でも、対象は違う
特にStreet Viewは、誰かが暮らす現実の場所と過去の撮影に結びつきます。ゲーム内写真の議論を、そのまま同意・プライバシー・場所の政治へ代用することはできません。
04 · Voices
作家の肉声から読む
批評だけでは見えにくい制作方法を、本人の発言からたどります。なぜその場所を探したのか、Googleを媒体と考えるのか、遠隔で見ることをどう捉えたのかが語られます。
#32.700542, Dallas, TX — artist audio
Googleを「媒体」とし、低解像度やぼかしを作品の詩学へ変えた過程を本人が説明する。
Doug Rickard Artist Talk
2年間の仮想移動と、見過ごされたアメリカの道路を選ぶプロセスを聞ける音声資料。
A Conversation with Mishka Henner
アプロプリエーション、伝統的ドキュメンタリーとの距離、見ることの責任をめぐる長編対話。
How an Agoraphobe Photographs the World Through Google Street View
不安障害、旅、Instagramでの発表、世界を遠隔的に撮る日常を語るインタビュー。
Google Street View: the new photography muse
Wolf、Rickard、Rafmanらの方法を同時代の発言で比較できる重要な集合インタビュー。
05 · Research
先行研究の3つの争点
写真論、監視研究、都市研究、メディア論から、Street Viewをめぐって蓄積されてきた議論を整理します。各論文は、研究対象と結論を簡潔にまとめます。
写真行為はどこにあるか
現地での露光ではなく、移動、探索、構図、切り取り、順序、再提示の連鎖に作者性を見出す。
画像は誰を動かし、誰を監視するか
Street Viewを単なる写真ではなく、位置情報、端末、利用者、監視、路上での応答を結ぶ作動的な媒体として読む。
都市データは何を見落とし、何を分類するか
地域・時期による欠測だけでなく、外観から場所の価値やリスクを推定するデータ化そのものの政治性を検討する。
06 · Sources
注釈付き資料一覧
各資料に固定番号を付け、本文で使っている箇所へ相互に移動できるようにしています。「参考資料」は、本文の記述を補うために調査した資料です。
論文
22 records
Movie-maps: An Application of the Optical Videodisc to Computer Graphics
1978年に始まったAspen Movie Mapを報告。車載カメラで街路を記録し、映像ディスクと地図を接続して、利用者が画面上で曲がりながら街を進めるようにした。
QuickTime VR: An Image-Based Approach to Virtual Environment Navigation
実写パノラマを連結し、3Dモデルを描画せずに視点回転と地点間移動を行う方式を提示。Street Viewの画面操作に近い「写真の中を移動する」文法を普及させた。
A Historical Review on Panorama Photogrammetry
1843年の旋回レンズ式カメラから円筒・全球画像、写真測量、レーザースキャンとの融合までをたどる技術史。360度画像はStreet Viewより一世紀以上古い。
Photo Tourism: Exploring Photo Collections in 3D
多数の既存写真からカメラ位置と疎な3D形状を推定し、画像間を滑らかに移動するPhoto Tourism/Photosynthの基礎研究。Street Viewと並行する「写真を空間として歩く」系譜。
The World as Image and the Image of the World: Photographing Google Street View
Wolf、Rickard、Rafmanを、撮影、画面再撮影、選択、再文脈化の差から論じる。
Google Street View and Non-human Photography in Jon Rafman’s and Michael Wolf’s Projects
Street Viewを非人間的写真と捉え、グリッチと作者性の関係を検討する。
Camera Phantasma: Reframing virtual photographies in the age of AI
ゲーム内写真、Street View、AIを横断し、現実のカメラに固定されない写真を定義する。
Google Street View: navigating the operative image
Street Viewを、世界の表象ではなく、位置・端末・利用者・データベースを接続して作動する「操作的画像」として論じる基礎研究。
Performing Imperceptibility: Google Street View and the Tableau Vivant
Street View車に向けて演じられた路上パフォーマンスをタブロー・ヴィヴァンとして分析し、監視への主体的な応答を論じる。
Property regimes and the commodification of geographic information: An examination of Google Street View
個々の画像、利用者データ、API、広告を束ねて価値化する所有権・アクセス権・プライバシーの制度を分析する。
Street-level: Google Street View’s abstraction by datafication
街路画像を大規模データへ変換し、場所の外観から社会的価値やリスクを分類する権力作用を批判的に分析する。
Google Street View: Digital Mapping, Glitching and Social Documentary
Wolf、Rickard、Rafman、Vavarellaを比較し、グリッチ、移動感覚、社会的ドキュメンタリーの関係を整理する。
Street view imagery in urban analytics and GIS: A review
619本をスクリーニングし、250研究を10領域に分類した、街路画像による都市研究の体系的レビュー。
Using Google Street View for Street-Level Urban Form Analysis
街路スケールの都市形態分析を整理し、視点・時期・取得条件の重要性を示すレビュー。
Assessing temporal and spatial bias in Google Street View imagery
画像の利用可能性が地域・時期で均一ではないことを検証し、アーカイブの限界を可視化する。
To use or not to use proprietary street view images in (health and place) research? That is the question
利用規約、再現可能性、FAIR原則、オープンな街路画像への移行を提言するポジション論文。
Large-scale Privacy Protection in Google Street View
顔とナンバープレートの自動検出・ぼかしを大規模運用する技術的背景。
Point and Shoot: Remediating Photography in Gamespace
ゲーム内写真を、写真文化とゲームの双方を作り替える「再媒介」として位置づけた基礎論文。
Screenshot as an Art: An Aesthetics of In-Game Photography
ゲーム内写真を単なる記録ではなく、構図と作者的選択を伴うミクストメディア/写真ジャンルとして論じる。
PlayStation Photography: Towards an Understanding of Video Game Photography
写真史・都市写真・ゲーム研究を接続し、video game photographyを独自の実践として定義するオープンアクセス論考。
Redefining screenshots: Toward critical literacy of screen capture practices
スクリーンショットを自動的な複製とみなさず、制作・流通・宣伝・芸術を区別して読む批判的リテラシーを提案する。
Behind the Lens: Defining Virtual Photography through Community Interviews
5人の実践者への半構造化インタビューと画像カード分類から、技術、自己表現、ゲーム体験、コミュニティを当事者の語りで整理する。
一次資料
29 records
Street View turns 15 with a new camera and fresh features
2007年の開始と、2022年時点で100以上の国・地域、2200億枚超という規模を確認できる。
Go back in time with Street View
過去画像の導入によって、Street Viewが都市変化を読む時間的アーカイブになった経緯。
Helen Levitt — New York, 1938
Cartier-Bressonに触発されLeicaを手にし、ニューヨークの路上生活を撮ったLevittをストリート写真史の中心へ置く作品資料。
Lee Friedlander — New York City, 1963
反射、影、遮蔽物、画中画を使い、偶然に見える街路像を複雑な構成へ変えたFriedlanderの作品解説。
Ed Ruscha’s Streets of Los Angeles
1966年からの車載撮影を、都市・イメージ・アーカイブの観点から読むオープンアクセス研究書。
Cyclomedia — History of Street-level Data Capture
TU DelftのFRANK研究、1988年の魚眼カメラ付き記録車、1994年の自治体・地籍実験へ進んだ系譜。Street View以前に、車載360度画像を都市情報として扱った。
A9.com Yellow Pages — Block View
デジタルカメラとGPSを積んだトラックで街路を撮影し、2000万枚超の画像から左右へ仮想移動できた商用サービス。大規模な公開街路画像データベースとしてStreet View直前の重要例。
Celebrating 10 Years of Street View
2004年の試作、2006年の米国での走行、2007年5月の画像公開というGoogle自身の開発年表。
Introducing... Street View!
サンフランシスコ、ニューヨーク、ラスベガス、マイアミ、デンバーで、360度の街路画像内を移動できる機能として公開した当日の公式発表。
WiFi data collection: an update
Street View車が画像だけでなく、公開Wi-FiのSSID、MACアドレス、一部の通信内容まで収集していたとGoogleが認め、車両を停止し収集を中止した記録。撮影装置が複合的なデータ収集装置でもあることを示す。
An Introduction to Mapillary
企業車両による一方向の収集とは異なり、スマートフォンやアクションカメラから誰でも街路画像を投稿できる共同型プラットフォーム。画像は3D復元と物体認識にも使われる。
The Nine Eyes of Google Street View
自動撮影された世界から、奇妙さ、暴力、孤独、崇高さを採集し続ける作品本体。
Paris Street View / A Series of Unfortunate Events
画面のピクセルやインターフェイスの痕跡を残し、再撮影という方法を前景化した作品群。
No Man’s Land
性労働、監視、オンライン掲示板、遠隔的な視線を重ね、ドキュメンタリーを問い直す。
Street Ghosts
Street Viewの人物像を等身大で撮影地点へ戻し、画像、身体、場所の所有を問う介入。
The Agoraphobic Traveller
広場恐怖と移動制約から始まった、遠隔地を旅し構図を探すスクリーンショット作品。
Street With a View
Google車の通過に合わせ、住民100人超とパレードや救出劇などを演出した、Street Viewへの初期の共同介入。
The Google Trilogy: Or How to Play With Google Street View
修正される前の継ぎ目、色ずれ、欠損などを探索し、プラットフォームの「失敗」を一時的な写真として保存する。
Postcards from Google Earth
Google Earthの地形モデルと航空写真の不一致を収集する重要作。ただしStreet Viewではなく衛星・3D地形表示を対象とする。
Satellite Collections
Google Mapsの衛星表示から類型を切り抜き、再配列する作品群。選択と分類の比較対象だが地上視点ではない。
Lagoglyphs: Mark and Meaning
Google Earth/衛星表示で見られることを前提に地上へ図像を制作する作品。撮影画像の流用ではなく、地図へ向けた制作の隣接例。
Vice City
GTAの任務や速度から離れ、周縁の都市風景を歩いて撮ることで、ゲーム空間を風景写真の対象へ変える。
Down and Out in Los Santos
GTA VのNPCとして暮らすホームレスの人々をストリート写真の様式で追い、仮想都市の階級表象とゲーム規則を問う。
Boulevard du Temple, Paris, 1839
タンプル大通りを写したダゲレオタイプの公開図版。長時間露光が動く群衆を像から消した初期街路写真の検討に用いる。
Henri Cartier-Bresson’s first Leica
Cartier-Bressonが使用したLeica Iとケースの公開図版。小型カメラと歩行する写真家の関係を示す装置資料。
The Interactive Movie Map
Aspen Movie Mapの経路図、方角、左右移動、停止操作を確認できるMITの記録映像。画面図版の出典。
Google Street View camera car, Évora
ポルトガルのエヴォラを走る撮影車の公開図版。車両、全球カメラ、道路、視点高の関係を確認する装置資料。
Ed Ruscha’s Streets of Los Angeles archive
車載カメラで反復撮影したロサンゼルス街路アーカイブの公式プロジェクトページ。掲載図版と制作方法の出典。
Deux Visions
Raymond Depardonの写真と同地点のGoogle Street Viewを対置する作品の公式記録。掲載した二枚組図版の出典。
展覧会
16 records
Henri Cartier-Bresson: The Modern Century
小型カメラで動きの中の生を捉え、「決定的瞬間」と同義になったCartier-Bressonの方法を整理する回顧展資料。
Looking In: Robert Frank’s The Americans
1955〜56年の全米横断から83点を選び、戦後社会を批判的かつ主観的に編集したThe Americansの制作過程。
William Klein ABC
近接、ブレ、粗粒子、強いグラフィックによって都市の速度を変えたKleinを、ストリート写真の重要人物として位置づける。
Garry Winogrand
1960年代マンハッタンを中心に、戦後アメリカの希望、不安、偶然を大量の35mm写真で記録した回顧資料。
Daido Moriyama
Provoke以後の森山大道を、アレ・ブレ・ボケと都市の断片性によって戦後日本写真を変えた存在として紹介する。
Stephen Shore: American Surfaces
全米を移動しながら300点以上の日常風景を視覚日記として蓄積した連作。道路移動、反復する題材、平凡な場所の連続が都市を見る方法になる。
Camilo José Vergara — Tracking Time
同じ都市地点を同じ視点から定期的に撮影し、単独写真ではなく時間をまたぐ連鎖として都市変化を記録する。
Doug Rickard — New Photography 2011
A New American Pictureの制作方法と、貧困、人種、プライバシーをめぐる美術館資料。
Net Art Anthology: Nine Eyes
Nine Eyesをネットアート、ブログ、プリント、オンライン流通の歴史に置く保存資料。
Report a concern — The Nine Eyes Archives
50点超の大型作品と320点のアーカイブ、AIによる新作を含む初の大規模美術館展示。
Farm Tableaux — Web-Based Award
農家が最大40分静止し、Street View撮影者と共同で360度のタブローを制作した方法を記録する受賞資料。
Sylvia Grace Borda: Farm Tableaux
19世紀のタブロー・ヴィヴァン、農業労働、ネットワーク化された風景を結ぶ批評的な作品解説。
Cinemascape Google Street View
遠隔地のStreet View画像を選び、色調整とパノラマ的構成によって映画的風景へ変換した作品記録。
Le monde à l’ère post-photographique avec Caroline Delieutraz
Raymond Depardonの『La France』と、同じ場所を探したGoogle Street Viewを二枚組で対置するDeux Visions。作者の撮影と自動撮影の差を同地点で比較する。
Resisting the Algorithm: Tara Kelton’s Guided Tour
インドの文化遺産を撮影したStreet View内に、機材を運び案内する人間の労働を見つける映像作品。均質な全球画像の背後にある地域差、政策、撮影労働を可視化する。
Camera Ludica: A Video Game Photography Walkthrough
1989年以降のゲーム内写真を、撮影ゲーム、スクリーンショット、MOD、写真モードまで横断する映像エッセイ。
インタビュー
05 records
#32.700542, Dallas, TX — artist audio
Googleを「媒体」とし、低解像度やぼかしを作品の詩学へ変えた過程を本人が説明する。
Doug Rickard Artist Talk
2年間の仮想移動と、見過ごされたアメリカの道路を選ぶプロセスを聞ける音声資料。
A Conversation with Mishka Henner
アプロプリエーション、伝統的ドキュメンタリーとの距離、見ることの責任をめぐる長編対話。
How an Agoraphobe Photographs the World Through Google Street View
不安障害、旅、Instagramでの発表、世界を遠隔的に撮る日常を語るインタビュー。
Google Street View: the new photography muse
Wolf、Rickard、Rafmanらの方法を同時代の発言で比較できる重要な集合インタビュー。
次は、自分の視線を記録する。
Virtual Street Photographyは、場所だけでなく、方位、ピッチ、焦点距離、比率、アルバムという人間の選択を保存する実験です。
未ログインの場合はログインへ。初めての方は登録後、そのまま撮影開始へ進めます。


